医薬品とは?

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薬はとても小さな物質です。どれくらい小さいかというと、数十個の原子から構成されているだけです。

高校の物理の授業では、「すべてを構成する物質の中で最小の単位は原子である」と習います。

厳密にいうと、この定義は正確ではありませんが、ともあれ、原子というものはとても小さな物質です。

例えば、酸素は酸素原子として「O」で表されます。窒素は窒素原子として「N」と表されます。ただ、実世界では酸素は酸素原子Oが二つくっつくことで酸素分子「O2」として存在しています。

窒素も、窒素原子Nが二つくっついて窒素分子「N2」として存在しています。これはもちろん、「酸素や窒素は原子二つから構成されている」という意味です。

ここでは酸素と窒素を例に挙げましたが、「すべての物質を構成する原子」が複雑に絡み合うと、さまざまな物質へと変化します。例えば、水や二酸化炭素は三つの原子で、炭酸は六つの原子で構成されています。

紙やペン、さらには空気中を漂っているチリやホコリなども、原子が複雑に絡むことで構成されている物質です。

人間も同様です。人間は60兆個の細胞で構成されているといわれています。

この細胞は何でできているのでしょうか。細胞も同じように細かく細かく分解していくと、最終的には原子にたどり着きます。そのため、私たちの体も突き詰めて考えれば「原子の集まりである」ということができます。

このように、原子は物質の構成要素であり、世の中に存在するすべての物質は原子からできています。

では、薬はどのような形をしているのでしょうか。高校の化学では、亀の甲羅のような形をした化学構造を習いますが、そのような構造式を描いて説明しましょう。

アスピリンは原子が21個集まることで「痛みや熱を抑える作用を持つアスピリン」としての形を作っています。

抗生物質のペニシリンは、原子が41個集まることで、「病原菌に対抗するペニシリン」としての形を作っています。

これらの構造式を厳密に理解する必要はありません。要は「薬というのは、いくつかの原子が集まって構成されている」ということを大まかに理解していただければそれで十分です。

では、原子21個のアスピリン、そして原子41個で成り立っているペニシリンはどれくらいの「大きさ」なのでしょうか。

私たち人間を構成している細胞も原子で成り立っていることは前述しましたが、たった一つの細胞でも「何百~何千兆個の原子で構成されている」といわれています。

それに対して、薬は数十個の原子だけで成り立っています。

こう考えると、薬がいかに小さな物質であるかを理解していただけるのではないかと思います。

薬は、このように少ない原子から構成される分子であるため、「低分子医薬品」と表現されます。

(続く)