受容体と酵素

medicine

「薬は体の中のどの部位に、どのように作用するのか」を理解するためには、「受容体」と「酵素」について学ぶ必要があります。

私たちが日常生活を営むうえで、さまざまな「シグナル」が脳から発せられています。例えば、食事をすると自然に唾液が出てきますが、これは、食物を口に含むことで「唾液を分泌しなさい」と働きかける物質が脳から発せられるためです。

これと同じように、「手や足など体を動かすとき」や「頭痛などの痛みを感じているとき」「花粉症などのアレルギー反応が起こっているとき」など、私たちのすべての活動にはシグナルが関わっています。

そして、この「シグナルが作用する器官」が受容体です。受容体に作用することで情報が伝わり、「手を動かす」「痛みを感じる」「アレルギー反応が表れる」などが起こるようになります。

薬も、これと同じように受容体に作用します。これによって、さまざまな作用を発揮します。

そして、薬はこの受容体の作用を「強める」か「弱める」のどちらかの働きをします。

「手を動かす」「痛みを感じる」「アレルギー反応が表れる」についても、「強める」か「弱める」かによって薬の作用を説明することができます。

例えば、「手を動かすことができない」など、体を動かすことが不自由である人なら、手や足を動かすことに関係している受容体を活性化させることで体を動かしやすくします。つまり、受容体の作用を薬によって強めるということです。

その好例に、パーキンソン病治療薬があります。パーキンソン病とは、簡単にいえば、「体の動きがぎこちなくなってしまう病気」です。

体をスムーズに動かすためには、「運動」に関わる物質が脳から発せられる必要があります。この、「運動」に関わる物質の一つにドパミンがありますが、パーキンソン病の患者には、脳内のドパミン量が少ないという特微があります。

それを解消するために、薬が外からドパミンを補ったり、ドパミンが作用する受容体を刺激したりして、パーキンソン病の症状を改善させます。

これが、「薬によって受容体の作用を強める」という意味です。

(続く)